西方寺発見!

生名島から佐島へは、思ったよりも綺麗な、新しい橋がかかっていた。道も綺麗に舗装されている。さびた古い橋を想像していた私はちょっと拍子ぬけする。

とりあえず、ついに佐島上陸。海沿いの開けた場所に車を停める。そばに「佐島港」という看板がある。とりあえず、寺を探そう。ところがここにきて、ケータイのマップが寺の表示をしない。人影もない。

 

車を降りて、近くにあった案内看板を眺める。そこにも寺の表示らしきものがない。途方に暮れて看板を眺めていた目をふと外すと、なんだか雰囲気のある建物がそばに建っていた。近寄って見ると門の横に眉毛の太い不思議な像が2体立っている。上方に「西方寺」の文字が。。。

 

あった!島で一軒のお寺だ。こんなそばにあった!!ちいさなお寺だった。看板がなければ、普通の民家と間違えそうな。

 

石畳を踏んで、玄関から声をかけてみる。

「すみませーん」

「・・・・・」

誰もいないのだろうか。

「こんにちは!」

しばらくすると、奥から人が出てきた。不審そうな顔つきをしている。

それはそうだろう。たぶんここは、見も知らぬ人間が突然訪ねてくるような場所ではない。

しかも相手はきちんとした身なりとは言い難い、一般人とはかけ離れた様子の怪しげな中年の男女だ(笑)

もしかしてむっちゃ閉鎖的な島だったらどうしよう、よそ者とは口をきくな!とか、島神様のたたりじゃ、とかいろんな思いが駆け巡る。

怪しくないですよオーラを全開に出しながら、とにかく突然訪ねてきた非礼を詫びつつ、事情を話す。

女性は事情を大まかに把握したと思ったらすぐに柔らかい表情になり、よかったらどうぞどうぞ、と本堂の横の部屋に通してくださった。